理系人間が解釈する般若心経

怒りの対象になるもの、ならないもの

 自分の価値観と異なるものに対して「怒り」は発生するが、自分の思い通りにならない場合に必ず「怒り」が発生するかというとそうではない。

 それは相手が「怒りの対象になるもの」かどうか?による。
 それでは「怒りの対象になるもの」とは何であろうか?

 ・・・・・・

 「怒りの対象になるもの」は「自分の価値観に合うように人為的に変更修正が可能なもの」である。

 具体的にいうと、それは特定の人間、人間の言動、人間が人工的に作ったもの(機械、法律、ルール、アプリケーションソフト、書籍やネット上など人間の意思が書き込まれたもの)及び人間がコントロール可能な生き物などである。
 これらは人間の意思や行動で「何とかなる可能性のある」ものである。

 逆に「怒りの対象とならないもの」は・・・
 自然(天候、天体の運行、自然災害)、自然に存在する物体、人間がコントロールできない生き物。などである。
 これらは人間の意思や働きかけでは「どうにもならない」ものである。

 例えば・・・・・
 家に泥棒が入って家財道具一式を持ち出されたとする。その場合には怒りの感情が発生する。怒りの対象は人間である「泥棒」である。(能動ネガティブ:感情をどうコントロールすべきか?)
 泥棒に対して「なぜ盗まれた人の立場になって考えられないのだろう?なぜまっとうに生きられないのだろう?
 どうにかならないのか?・・・う〜ん腹が立つ。」といった具合である。 

 一方、台風、大雨、津波などの自然災害で家財道具一式がダメになったらどうだろう?肩を落としてどうしていいかわからない状態になる。怒りは、発生しない。
 なぜなら・・・・・それはどうにもならないものだから。
 怒りの対象が人間または人間が関わっているものではないからである。(受動ネガティブ:感情をどうコントロールすべきか?)

 どちらも同じ「家財道具一式が失われた」という事実があるのに、それが怒りの対象であるかどうかで、怒りが発生するかしないかが決まってくる。

 自然災害で被害を被った場合でも、もし災害対策が十分に取られていなければ「これは天災でなく人災だ!」などという怒りの声があがるであろう。
 
 怒りの対象となるのが「人」の場合でもその対象によって怒りの生じやすさは異なる。

 自分より格下の者には何でも言いやすい。支配できるから怒りも容易に発生する。後輩、年下、地位が下の者、キャリアが浅い者。などがそれにあたる。

 それと反対に怒りが生じにくい対象としては、自分よりずっと格上の人、上司、先輩、年上、地位が上の人。
他者の境遇を変更できる強力な権限を持っている人、知名度のある人、頑固な人、反発しやすい人、容易に暴力を振るう人などがそれにあたる。
 
 また、怒りやすさの敷居は、その時の気分で上下する。
 いい事があった日は上機嫌で、何を言われても怒らない。という場合もある。逆に機嫌が悪い日は、些細な事にでも腹を立てやすくなる。



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