理系人間が解釈する般若心経

肉体を失った魂がどういう状態で存在するか?

 現世の人間では「肉体」と「魂」の両方がないと機能しないということを説明してきたが、死を迎えた時に「肉体(色)」を失った「魂(空)」はどうやって存在するのだろう?

 これまで述べてきたことから、魂が持っていると思われる性質を列記してみると・・・。

魂が持っていると思われる性質

├「空」である。実体がない(質量、形がない)。

├空間を超越できる。(通信のように情報を別の場所に送ることができる。あるいは共有することができる。)
│└壁などの障害物を通り抜ける。

├エネルギーを持っている。
│└機能するのにそのエネルギーを必要とする。

└ プログラムを実行(判断、実行)することができる。


 魂は「波動」という状態で存在し、伝達されるという説がある。
 ・・・とするとこれらの性質が「波動」に備わっている必要がある。
 波動にはいくつかの種類がある。ここでは3つの代表的な波動が各性質を満たしているかを検証していく。

■「空」である。実体がない(質量、形がない)
(1)地震波・津波の場合
 地面や海水をエネルギーが伝わって、建物や自然の地形を破壊したりする。
 地面や海水に実体のある何かが加わるわけでもなければ、混ざったりするわけではない。

(2)音(音波)の場合
 何かを叩いて音を出したり発声をした場合に、実体のある何かが新しく発生したり混ざったりすることはない。
 音は空気の粗密を作り出しながら伝わり、これが現世の人間の感覚器官の一つである耳の鼓膜を振動させる。
 (あるいはマイクの振動板を振動させて電気信号に変換する。など)

(3)電波の場合
 電波の送信元(小さい場合はワイヤレスマイクや携帯電話など。大きい場合はテレビ・ラジオ局の送信塔など。)から電波を送信して、ラジオやテレビなどの受信機で受信する。電波はそういう受信機で吸い寄せているわけではなく、日常の空間を様々な種類の電波が行き交っている。その電波の中から希望するものを絞り込んで(同調)、例えばラジオであれば耳に聞こえる大きさに増幅して聞いている。
 この場合も電波の発信によって、実体のある何かが空気中に加わったり混ざったりするわけではない。宇宙船と交信できることからわかるように、空気のない空間でも電波は伝わる。

 ・・・よって「波動」は「実体がない(質量、形がない)」という性質がある。



■空間を超越できる
(1)地震波・津波の場合
 地震波・津波は順次伝わっていって、減衰しなければ地球の裏側まで伝わる。
 音や電波に比べるとスピードは遅いが距離的にかなり離れた場所へも伝わる。

(2)音(音波)の場合
 音も減衰しなければ、遠くまで伝えることが可能である。

(3)電波の場合
 これはスピードが速いので、無線や衛星中継などを使えば、そばにいるのと同じようにリアルタイムに会話ができる。 

 ・・・よって「波動」は「空間を超越できる」という性質がある。



■障害物を通り抜ける
(1)地震波・津波の場合
 地震波は地中を伝わる。津波は海を伝わる。

(2)音(音波)の場合
 ドアをノックしたら反対側にも聞こえるように、空気以外の物質(硬い物質であっても)を通り抜ける(伝わる)ことができる。

(3)電波の場合
 携帯電話の電波は閉め切った建物の中でも到達する。(屋外に比べると伝わりにくいが・・・)

※障害物というのは「実体のあるもの」である。それをまた別の「実体のあるもの」が通り抜けようとしても通り抜けられない。実体のない波動であるからこそ通り抜けることができる。


 ・・・よって「波動」は「障害物を通り抜ける」という性質がある。



■エネルギーを持っている
(1)地震波・津波の場合
 地震や津波は、建物を破壊したり地形を変形させたりするエネルギーを持っている。

(2)音(音波)の場合
 人間の鼓膜を振動させたり、マイクの振動板を振動させるエネルギーを持っている。

(3)電波の場合
 ラジオなどのアンテナで電波をキャッチすると、微弱な電流が流れる。それは電波がエネルギーを持っているからである。そのままイヤホンやスピーカーをつないでも聞こえないので実際は増幅回路で大きくして聞いている。

 ・・・よって「波動」は「エネルギーを持っている」という性質がある。



■プログラムを実行することができる
 プログラムを実行するためには、何らかの情報の入力が必要である。
 魂は情報をどうやって取り入れるのだろう?
 魂だけでは現世の人間のように感覚器官は使えない。その代わりに何らかの方法で情報を取得する必要がある。

 どういう方法があるかを考えてみた。

 1つは、周りの人間に憑依してその人間の感覚器官を通して情報を得る方法。
 例えば、自分が病院のベッドで死亡した時に、病室の天井付近から自分の体を見ている医者や看護師、自分の家族の姿が見えたという臨死体験が報告されている。これはそれらの人間に憑依して彼等が見ている映像をつなぎ合わせ、さらに天井付近から見たアングルに変換したものを見ている可能性がある。これは最新の自動車に装備されている「アラウンドビューモニター」という製品の仕組みと同じようなものだと考えられる。

 もう1つは、魂自体が波動であれば、周りの波動を直接、情報として受け取る方法。
 この世に実在するものは全て原子から成り、その原子自体は全て微小な振動をしている(波動をもっている)。つまり感覚器官を介することなく、波動のままその内容を受け取るということである。現世の人間は、まわりの状況を感覚器官の一つの目で光としてとらえるが、それを視神経から脳に伝えるのは電気信号という波動である。

 このように情報を取り入れられたとして、その次にプログラムを実行するのに必要なこととしては・・・
(1)プログラムのソースの内容の記憶ができること
(2)記憶されたソースの内容を解釈して実行すること ・・・が挙げられる。

 「(1)プログラムのソースの内容の記憶」であるが、まずここで「記憶」とは何であるかを改めて考えてみる。
 コンピュータにおける記憶(記録媒体の記録)というのは、「何かを別な場所に移動させて、それが動かない状態にしておく事である。そして記憶の読み出しとは、後で、移動したものがどこにあるか(どういう状態であるか)を検出する。」ということである。(「色」についてのコンピュータと人間の比較
 ・・・とすると、実体がないものでも記憶はできるのではなかろうか?

 津波は巨大なものになると、地球を一周する。もし津波がその形を変えないままエネルギーが補給されてずっと地球の周りを同じ形をした波が動き続けるとしたら・・・。それは情報を保持しているということにならないだろうか?
 魂の場合も、魂の内容を記録した波がその形を維持したまま、一定の範囲内でぐるぐる回っているのではなかろうか?

 次に「(2)プログラムソースなどの内容を解釈して実行できること」を考えてみる。
 「インターフェース」で述べたように、CPUは「空」と「色」の二面性を持っている。
 コンピュータにおいて、実体のあるCPUという電子部品が必要な理由は、CPUで演算した結果を画面に出力したり、キーボードやマウスからの命令を入力したりする電気信号をその電極を通じて出し入れするためである。
 CPUに内蔵されている論理回路(2つの入力の値が同じかどうかを判断して出力する。などの機能を持った電子回路)はプログラムでも代替できる場合もある。シフトレジスタの様な記憶が必要な部分は、上記の「(1)プログラムのソースの内容の記憶」と同様である。

 コンピュータにおける入出力のやりとりが、魂の場合に、対象となるものに対して、波動で直接行えるのであれば、実体を持ったCPUのような存在は要らなくなるのではなかろうか?


 ・・・以上の波動の性質の検証より
 「魂」が波動であれば、肉体の死後も存在できそうである。


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