理系人間が解釈する般若心経

知識と智慧

 現世の人間の知的な営みについて考えてみよう。
 知的な営みを大きく2つに分けると、1つは今まで見聞きした情報の蓄積である「知識」。
 もう1つは今までの経験を基に判断を下す「智慧」である。

 知識は、肉体の一器官である脳に記録される。
 智慧は、先に述べたフローチャートに当たるものであり、基本的に魂に記録される。それは肉体の死を迎えても不滅であり、その内容は経験によって変わって(進化して)いく。

 本を読んだりして情報を取り入れることによっても”経験”は増える。ただ本の内容を読み取るだけではなく、自分なりに想像力を働かせて「自分ならどうするか?」というのをよく考えながら読み進めてフローチャートの最適化の材料にすべきである。(こう判断すればいいか?いや、こういう場合には別の判断が必要かも・・・など)

 自分自身がする実際の苦労がフローチャートの見直しには一番良いが、ノンフィクションの小説や偉人伝、ドラマ、映画、その他の苦労人の報道などを見たり読んだりするによって、その人の立場に立って自分はどうふるまうべきかを考えるのもフローチャートの見直しに役立つ。そのためにはいかに「その人の立場になりきれるか」の想像力を磨くことも大事である。

 読書は自分のペースで情報を取り入れられるので、読み進めるのを少し止めて考えたり、「どうだったかな?」と思って少し前を読み返せる点が良い。

 野球の走塁の例(「プログラムの見直しとは」)のように野球選手として向上していくためには、一つでも多くの試合に出て、失敗の度にフローチャートを書き換えることによって進歩していく方法が基本であるが、さらなる進歩を目指す人は、人がやっている試合を見て「人の振り見て我が振り直せ」のように見直す方法も使っているはずである。

 今まで「フローチャートの見直し」作業自体については述べてこなかったが、これはコンピュータの場合、プログラマが行う作業である。魂のプログラム自身で自律的にこれを行おうとすると「フローチャート」を見直すための「フローチャート」が必要となってくる。
 この基本になる「フローチャート」は、魂の基本機能として備わっているものだと思われる。コンピュータで言えば、基本プログラムであるOS(Windowsなど)に相当するものである。
 この基本プログラムの内容は、現世で修行を終えた魂や、さらに霊界で修行を続けている魂たちによって常に改善され続け、魂が霊界に戻った時にそのノウハウは共有されるようになる。そして修業を志した魂が現世に生まれ出る時に最新の内容の基本プログラムを持って現世に生まれると思われる。 関連:「輪廻転生

 現世においても、自分の経験によって確立した考えは、水平展開して色々なことに応用すべきである。そういった事が非常に広い範囲で普遍化されたものが、ことわざや格言、宗教の教えである。

 知識だけを詰め込んだだけでは、その知識以外の事に遭遇した時にどうしたらいいのかわからなくなってしまう。
 そうなると、自分で判断することなしに著名な人の話を全て信じたり、大企業や行政の言うことだからといって丸呑みにしてしまうことになる。
 学校での勉強においては、知識がどれだけあるかではなく、どのくらい自分で判断ができるようになったかが重要である。知識があることはもちろん悪いことではないが、その知識をどれだけ活用できるかが問われる。

 向上がないと、現世で生きている意味がない。



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