理系人間が解釈する般若心経

インターフェース

 現世の人間の場合、「空」である魂のプログラムと「色」である肉体との接点はどうなっているのだろうか?

 コンピュータでプログラムを動作させる場合には、メモリやハードディスクなどの記憶媒体にあるプログラムをコンピュータの頭脳であるCPUに取り込んで機能させる。CPUは高度な機能を持つ半導体電子部品である。
 プログラムを取り込む基本的な機能はCPU自体が持っている。その基本的な機能は、CPUの半導体製造工程でパターン(電子回路の組合せ)として作り込まれている。
 機能を実行するのは「色」である電子部品であるが、それらの電子部品の設計図は「空」である。
 CPUは「色」である実体のある電子部品の一つという側面もあり、「空」であるプログラムを受け入れる入口という側面も持つ。

 現世の人間の場合はどうだろうか?
 現世の人間の場合には、魂のプログラムを取り込む基本的な機能は「色」である脳にあると考えられる。
 その実体のある「脳」の機能や構造はDNA(という設計図)によって親から子へと伝えられる。
 つまり、脳も「色」である現世の人間の肉体の器官の一つという側面もあり、「空」である魂のプログラムを受け入れる入口という側面も持つ。

 「インターフェース」というのは、複数の異なる種類(概念)のもの同士のやりとりを仲介する機能を示す言葉である。
 例えば、「日本語だけをしゃべる人」と「英語だけをしゃべる人」同士ではコミュニケーションが図れない。その間に「通訳」というインターフェースが入ることによって相互にコミュニケーションが図れるようになる。通訳には当然のことながら日本語と英語の両方の能力が必要である。

 コンピュータの「CPU」も、現世の人間の「脳」も、「空」と「色」両方の能力を併せ持っているので、それらの仲立ちをするインターフェースと言うことができる。

「空」と「色」を介するもの
 ├コンピュータ:CPU
 └人間:脳

 CPUにプログラムを入れる入口は、CPUの電極である。
 ICやLSIと呼ばれる電子部品には金属製の電極(昆虫に見立てて「足」と呼ばれることもある)が多数付いていて、この電極を通して電気信号を出し入れする。CPUもこの電子部品の一つである。
 CPUにはコンピュータに内蔵された機器やコンピュータに接続された周辺機器から、電気信号で様々な情報(データやプログラム)が入ってくる。

 コンピュータと人間の情報の入口について整理してみると・・・。

情報の入口
 ├コンピュータ(CPUへの情報の入口)
 │├データ:キーボード、マウス、カメラなどの周辺機器、インターネット機器など
 │└プログラム:CD・DVDドライブ、インターネット機器(ダウンロード)など
 └人間(脳への情報の入口)
  ├データ:感覚器官(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)
  └プログラム:???

 人間の場合は、五感のそれぞれの感覚器官からの情報が脳に送られ、認識される。
 魂のプログラムを受け入れる器官は何であろうか?

 般若心経に書かれている
 無限耳鼻舌身意 無色声香味触法
                       ・・・の部分に注目して、現世の人間の感覚を対応させてみると
六根
(感覚器官)
六境
(感知内容)
人間の感覚
限(眼) 視覚
聴覚
嗅覚
味覚
触覚
「心」という感覚

 「意」と「法」に対応する六番目の感覚は、「心」という感覚であるとされる。これが一般的に「第六感」や「霊感」のように言われている感覚だと思われる。
 この感覚器官のない「心」という感覚と表現されているものが、現世の人間の「プログラム」の情報の入口ではなかろうか?・・・入口というよりは「心」そのものが「魂のプログラム」と考えたほうが自然である。

 伝えられる情報の形態は、コンピュータがデジタルであるのに対して人間はアナログである。
 例えば、視覚の場合。コンピュータではカメラに多数の微細な光センサーが並べられた撮像素子が内蔵されており、それぞれのセンサーに当たった光の強度がデジタル信号に変換されて、最終的には”0”と”1”との連続した信号になり、画像ファイルという形で保存される。

 これに対して、人間の目は見たものの形を視神経でとらえるが”0”と”1”のデジタルの信号ではなくアナログ信号で伝える。
 プログラムの場合もこれと同様に、デジタル信号でプログラムを受け入れるコンピュータに対して、人間の肉体が受け入れるのはアナログの魂のプログラムであると考えられる。

 人間の全ての細胞には人間の肉体全体の設計図であるDNAが含まれている。
 その中には当然「脳」の設計図も含まれるので、「空」である魂のプログラムと「色」である肉体の接点が全ての細胞であってもおかしくはない。


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