■IPアドレス(その3)

■サブネットマスクとデフォルトゲートウエイ

「ただルータにパソコンをつなぐっていうだけで、えらく面倒ね。・・・ルータを持ってる人が、それにつながるパソコンに『プライベートIPアドレス』を設定するような難しいことを全て理解しているとはとても思えないんだけど・・・。」

「それは、この面倒な設定を自動的にする仕組みがあるからさ。でもドットコムマスターの試験に合格するには、自動でお任せということじゃなくて、どのように設定されるかを理解しておく必要があるね。」

「どういう決まりに従って設定すればいいの?」

「うん、まず、サブネットマスクの説明をするね。・・・これもIPアドレスのようにピリオドで区切られた4組の数字なんだ。よくルータで設定されているのは『255.255.255.0』なんだ。これ見たことないかい?」

「ルータの説明書に書いてあったような気がするわ。でも説明書を見ても、なぜそうするのかは全く書かれてないのよねぇ。」

「そうなんだ。それじゃあ、サブネットマスクの説明をする前に、IPアドレスの話をしようか?・・・まずIPアドレスは、『ネットワーク部』と『ホスト部』に分けられるんだ。IPアドレスの前半が『ネットワーク部』、後半が『ホスト部』なんだ。」

「前半と後半って、なんか漠然としてるわね。どこまでが前半になるのかしら?」

「うん、その前半と後半、つまり『ネットワーク部』と『ホスト部』の境目がどこにあるかを示すのがサブネットマスクなんだ。さっき言った『255.255.255.0』っていうサブネットマスクの場合には、『ネットワーク部』は、ピリオドで区切られたIPアドレスの1番目から3番目までになるんだ。そして『ホスト部』は4番目になるんだ。」

「ちょっと待って、その255っていう数字はどういう意味なの?」

「255っていう数字は、2進法の『1』が8個並んだ状態なんだ、それを10進法で表すと255になるんだ。」

 2進法について (「2進法をマスターしたい人は見てね。完全に理解できなくても大丈夫!)

「う〜ん、わけがわからないわ。もっと簡単に言って。」

「じゃあ、2進法は置いといて、これだけ覚えといて。『IPアドレスのピリオドで区切られた4つの部分のうち、サブネットマスクで、255になっている部分がネットワーク部で、0になっている部分がホスト部になる。』 これなら簡単だろう。ここの数字は『0』か『255』のどちらかと考えておけばいいよ。」

「それ以外の数字が入るって事は、とりあえず考えなくていいのね。」

「例えば、IPアドレスが『192.168.0.1』であったとしようか?そしてサブネットマスクが『255.255.255.0』の場合は、ネットワーク部とホスト部はどうなる?」

「サブネットマスクの最初の3つの部分が255だから、最初の『192.168.0』までがネットワーク部で、最後の『1』がホスト部でいいのかしら?」

  

「正解! それじゃあ、IPアドレスは同じで、サブネットマスクが『255.255.0.0』の場合は?」

「今度は、サブネットマスクの最初の2つの部分が255だから、最初の『192.168.』がネットワーク部で、残りの『0.1』がホスト部になるのかしら?」

  

「正解!」

「で、それが何を意味するの?」

「うん、ネットワーク部の数字が同じIPアドレスは、同じネットワークに属しているんだ。そして、同じネットワークに属しているパソコンは、相互に通信ができるんだ。例えば、サブネットマスクが『255.255.255.0』の場合、IPアドレスが『192.168.0.1』と設定されたパソコンとIPアドレスが『192.168.0.2』と設定されたパソコンとは、同じネットワークに属しているから、相互に通信ができるんだ。」

「通信ができるって、どういう意味?」

「パソコン同士で、ハードディスクのデータを共有できたり、ネットワークプリンタが使えたりすることだね。」

「インターネットが使えるって事とは違うの?」

「うん、インターネットに接続している場合は、例えば、パソコンを2台接続しているとすると、プライベートIPアドレスは2個あるわけだけど、実は、ルータ自身が同じネットワークに属しているIPアドレスを1つ持っているんだ。」

「合計するとプライベートIPアドレスは3個あるってこと?・・・それがインターネットを使える事と、どう関係するの?」

「うん、その場合、そのルータのプライベートIPアドレスとパソコンのプライベートIPアドレス間で通信ができる。ということになるんだ。つまり、ルータのプライベートIPアドレスがインターネットへの出入口になってインターネットに接続しているんだ。このルータのプライベートIPアドレスの事を『デフォルトゲートウエイ』って言うんだ。」

「また新しい言葉が出てきたわ。これを全部覚えるのも大変なのよねぇ。それにしても、こんな複雑な設定を間違いなくするだけでも大変だわ。」

「うん、さっきも言ったように、この面倒な設定を自動的に行う仕組みがあるんだ。後で詳しく説明するけど、理解するには今まで言った事を理解している必要があるんだ。」


■同じネットワークかどうかはサブネットマスクによる

「さっき、IPアドレスが『192.168.0.1』って設定されたパソコンと『192.168.0.2』と設定されたパソコンとは、相互に通信ができるって言ったわよね。それじゃあ『192.168.0.1』の設定のパソコンと『192.168.1.1』設定のパソコンとでは相互に接続できないって事でいいのよねえ。」

「それは、サブネットマスク次第さ。それじゃあ、どうサブネットマスクを設定すれば通信できて、どう設定すれば通信できないか?を考えてみてよ。」

「あっ!そうだったわね。ええっと、サブネットマスク『255.255.255.0』の場合は、ネットワーク部が最初の3つの部分の『192.168.0』と『192.168.1』と異なるから、これは別のネットワークってことになって、相互に通信はできない事になるのね。」

「そうそう、わかるじゃないか。」

「サブネットマスクが『255.255.0.0』の場合は、ネットワーク部は最初の2つの数字の部分の『192.168』が同じだから、これらは同じネットワークとなって、相互に通信ができる。でいいのかしら?」

「その通り!理解してるじゃない!」


■DHCP(ディーエイチシーピー)

IPアドレスやサブネットマスクなどのネットワーク設定を自動的に行う仕組みをDHCPって言うんだ。最近のブロードバンドルータのほとんどにこの機能が組み込まれているよ。」

「だから、ネットワークの知識がなくても簡単に設定ができるんだ。」

「そうだね。そのDHCPにはどんな機能が必要だと思う?」

「サブネットマスクを見て、同じネットワークに属するプライベートIPアドレスを順に割り当てていくだけでいいんじゃない?」

「そうなんだけど、じゃあ問題を出すね。・・・サブネットマスクが『255.255.255.0』の時に、このネットワークには何台までパソコンがつなげるでしょう?」

「えっ?何台でもつなげるんじゃないの?」

「うん、実は制限があるんだ。グローバルIPアドレスも含めたIPアドレスは、ピリオドで区切られた4組の数字で表してあるけれども、その数字は255を超えることはできないんだ。」

「確かに、それぞれの数字は300を超えるのは見たことないわね。それは決まりなの?」

「うん、決まりなんだ。もっと多くのパソコンを接続する方法については、後で説明するとして、何台のパソコンまで接続できると思う?」

「サブネットマスクが『255.255.255.0』だから、プライベートIPアドレスは4番目の数字が重複しないように設定しないといけないんだったわね。それで4番目の数字は、1から255までの範囲で割り振れると考えれば、255台が接続できるってことになるのかしら?」

「うん、2つ考えないといけない事があるんだ。1つは、今言ったように、プライベートIPアドレスの4番目の数字が取れる範囲なんだ。さっき255は2進法で『1』が8個並んでいる状態だって説明したけど、2進法で数字が8個並んでいたら、実は256通りの数字を表現できるんだ。」

「255じゃないの?」

「いや、『0』も含めると256通りになるんだ。」

「じゃあ、256台のパソコンが接続できるの?」

「まあそう結論を急がないで・・・。まず256通りのプライベートIPアドレスがあるのはわかったね。実はその中で、パソコンには割り当てられない特殊なIPアドレスがあるんだ。そのIPアドレスは、256通りある中の最初と最後の数の『0』と『255』なんだ。このホスト部が『0』のIPアドレスの事を『ネットワークアドレス』と呼ぶんだ。次にホスト部が『255』のIPアドレスのことを『ブロードキャストアドレス』と呼ぶんだ。この2つのIPアドレスは特殊なIPアドレスで、別な役割があるんで、パソコンには割り当てることのできないIPアドレスなんだ。」

「また覚えないといけない事が増えたわね。『ネットワークアドレス』と『ブロードキャストアドレス』?」

「うん、それらについては、後でまた詳しく説明するね。それじゃあ、さっきの質問の、パソコンが何台つなげるか?の答えはどうなる?」

「256−2=254台になるって事ね。」

「うん、それでもある意味正解なんだけど、それだと254台のパソコン間での通信はできるけど、インターネットに接続できないね。」

「あっ、ルータのプライベートIPアドレス、つまりデフォルトゲートウエイだったかしら?も別に必要なのよね。ルータもパソコンのようなものと考えた方がいいのかしら?」

「そうだね、インターネット接続を考えずに、『サブネットマスクが『255.255.255.0』の時に、このネットワークには何台までコンピュータが接続できますか?』という問題だったら。正解は254台になるね。ルータは通信に関しては、コンピュータとして働くんだ。一般的に『コンピュータ』って言った場合には、このルータのように通信に関して『コンピュータ』として働く機器も含まれるんだ。また『ホスト』と呼ばれることもあるね。」

「試験問題に『ホスト』や『コンピュータ』って言葉が出てくるわよね。どういう違いがあるの?」

「そうだねえ、まとめるとこんな感じかなあ。」

コンピュータ
├ホスト
│├クライアント(サービスを利用する)
││├パソコン
││└パソコン以外の端末(ゲーム機、PDA、ワープロの一部など)
│├サーバ(サービスを提供する)
││├Webサーバ
││├メールサーバ
││├DNSサーバ
││├FTPサーバ
││├VoIPサーバ
││├ ・・・・・・・
││└LAN内で使用:プリントサーバ(ネットワークプリンタ)、LANディスクなど
│├ルータ
│└クライアントとサーバの両方の働きをする:P2P型通信

└スタンドアローン(パソコンをネットワークに接続せず単独で使用すること)

「なるほど、ホストは通信ができる機器で色々な目的のものがあるって事ね、大体わかったわ。で・・・DHCPっていうのはどう働くんだっけ?」

「そうそう、その話をするんだった。・・・ルータにDHCPの機能があるとして、そのルータに接続したパソコンにプライベートIPアドレスを割り当てるんだけど、これは『リース』するということなんだ。」

「『リース』?・・・リースと言えば、何とかリースっていう名前のレンタルの会社があるわね。つまり、貸してくれるってこと?」

「そうなんだ。しかも、その貸す期間が決まっているんだ。」

「期間なんか決めなくても、永久に貸してくれればいいのに・・・・・。」

「それには理由があるんだ。・・・家庭内だけで、数台のパソコンをつないでいる場合にはそれでも構わないんだけど、会社や学校などの団体で、多くのパソコンを使っている場合には、新しいパソコンをつないだり、インターネットに接続しないパソコンを外したりということが結構ある場合には、プライベートIPアドレスは有限だから、取り外したパソコンのIPアドレスは、新しくつないだパソコンのIPアドレスにまわした方がいいよね。リースという方法だと、期限が切れたIPアドレスは、他のパソコンで使えるようになるんだ。だから有限なプライベートIPアドレスを有効に使えるんだ。」

「なるほど。・・・でも、ずっと使い続けているパソコンのIPアドレスの期限が切れたらどうするの?」

「そういう場合には、パソコンがネットワークにつながっていれば、再度、プライベートIPアドレスが割り当てられるんだ。そのIPアドレスは以前と同じ場合もあるし、違うIPアドレスになることもあるんだ。こういう方法を取ると、ネットワーク管理者が、使っているIPアドレスや使っていないIPアドレスを管理して、パソコンをLANにつなぐ度に設定するという手間が省けるんだ。家庭で2〜3台のパソコンをつないでいる場合にはあまりメリットを感じないと思うけど、台数が多くなるとかなり手間が減らせるんだ。」

「それじゃあ、LANについては全てDHCPを使った方がいいのね。」

「うん、基本的にはね。でも、そうでない方がいいこともあるんだなぁ。LANにパソコンをつなぎさえすれば、すぐにIPアドレスが割り当てられて、通信ができるということは、その会社や学校でない外部の悪意のある人が入ってきて、パソコンをLANケーブルでつなげば、使えるようになるという危うさもあるんだ。」

「見知らぬ人が、建物に入ってきて、パソコンをつなごうとしてたら要注意ね。」

「うん、今では無線LANで接続しているところも多いからこれは特に要注意なんだ。なぜかというと、無線はその建物の中だけじゃなく、建物の外にも電波が届くから、建物の外からでもLANに接続できるんだ。」

「そういう場合は、どうやって気をつければいいのかしら?」

「無線LANで、誰でもが使えないようにするには、暗号技術を使う方法などがあるんだ、また改めてこの話はするね。」


DHCP
├ルータ側の設定
│├DHCP機能を有効にする場合の設定例:P50〜
│├IPアドレスの自動割り当て:P82
│└DHCPサーバ機能を使用しない場合の設定:P83

└パソコン側の設定
  ├プロバイダから割り当てられるグローバルIPアドレス:P24
  ├ルータから割り当てられるプライベートIPアドレス:P51
  └ルータのDHCPサーバ機能を使用しない場合の設定:P84

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